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18 外気導入の件 担当者 2016/02/06(土) 15:01:28 削除
北のさん、ご質問の件、意識の高い方なら、とても気になることかと存じます。

近年は住宅の高気密化が特に進んでいて、断熱地域区分ⅠのC値2.0どころか、C値1.0を切るような設計スペックが内地でも当たり前に用意されていますものね……

ただ、これまた、北のさんでしたら、おそらくご存知のように、この気密性の保証は設計仕様によってなされ、特に、実際に使っているうちにどうなるか、議論のあるところにもなっております(右上のリンクです)。

http://www.ads-network.co.jp/seinou-kiso/kigou-C.htm

結論の『住宅は、工場で作られる工業製品ではありません。組立は全てが現場でのハンドメイドです。
多少のおおらかさも必要です。』が、施工する側の本音ではなかろうか、とも思います。

ともあれ、ユーザーさんの意識向上を受けまして、モキ製作所としても、今のところ外気導入機構付きのモデルはありませんが、これからリリースされる方向で、その開発が進められていると、代理店として聞いております。


ただ、それでは、現在の外気導入機構がないMD-80ではどうか?という実態を、少ないながら、実際の経験ながら、申し上げます。


私が実際に設置を担当させていただきました例としては、設計スペックC値1.0以下(0.3、と聞きましたが、ホンマかいな?とは思います。ただ、確かに、気密シートはしっかりとしたものが入っておりました)で、築年としては10年程度のご家庭にMD-80を置いたことがあります。

こちらの24時間換気は第一種(コントロールされた機械吸気・機械排気)でして、かなりシビアな条件だったので、設計士は薪ストーブには当然反対でしたし、当然ユーザーさんの意識も高く、色々相談しましたが、結論は、まずは設置して様子をみよう、ということになりました。


実際に設置した結果は、次のような状況でした。

・試運転時には、窓を閉めた状態でも問題なく焚き付けから高温状態まで移行できました。

・その後、実際に毎朝お使いになられたユーザーさんは、煙を室内に充満させる複数回の失敗を経て、朝の焚き付け時には、窓を開けてやる手順を標準手順として採用しました。

・焚き付け時以外は窓を閉めて問題なく暖を取れていますが、そのまま、どこも窓を開けずに、うっかり換気扇を強で回してしまうと薪ストーブが「煙を吹く」という悲劇に……


以上のことから、高気密住宅、特に第一種換気の住宅では、薪ストーブの稼働により室内の負圧が強くなり、おそらく、室外と室内を隔てる扉(たとえば玄関扉のようなタイプ)の開閉では、多少なりとも力の変化(外に押し開く際に余分な力が必要になる)が生じているのではないかと推定しますが(ユーザーさんから、そのような感覚の報告はありません)、実際の弊害としては、薪ストーブの煙突の方が、負圧に耐えられずにスムーズな通気を失い燃焼不良を起こす(顕著な場合は逆流する)ことが大きい、と、私は結論付けています。


ですので、これは、北のさんのご見解も伺いたいのですが、外気導入は、まず、ストーブを使いやすくする上で、たとえば火がつけにくいクリーンバーン系本体など、必要な場合は必須だと思いますが、住宅としては、成り行き負圧の増大を許容できる範囲であれば、換気回数は増大傾向になりますし(特に、自然吸気及び機械排気から成る第三種の場合)、煙の逆流以外の大きな問題は想定されないのではないかと。

つまり、モキ製作所の薪ストーブでは、「引き」が強いがために、輸入鋳物製ストーブと比べて、逆に、外気導入機構は不要な対応範囲が広くなると考えます。


以上のことを踏まえまして、たとえば、もし私が北のさんの10年後の楽しみのお手伝いをさせていただけるとしますと……


案1.焚き付け時に窓を開けるのは面倒だし、寒いので、薪ストーブの近くの床か、壁の低い位置に、開閉機構付きの専用吸気口を設置し(必要に応じてダクトで薪ストーブの吸気口まで導く)、それをコントロールしていただく。

案2.焚き付け時に窓を開けて頂けるのであれば、換気扇作動時の薪ストーブからの逆流を防止するために、室内が一定の負圧になった時点で吸気を自動的に開始する吸気口を、薪ストーブ近くに設置する。


このようなことを、提案させていただきたいと思います。あるいは、将来リリースされるという、外気導入機構付きのモデルをご選択いただくか。

ただ、いずれにせよ、コストアップの方向です。私が設置を担当させていただきました例でも、結局は、コストの問題から、「必要性があれば、後から追加しよう」ということになりました。今のところ、追加してほしい、という要望は、ありません。うまく、付き合われていらっしゃるようです。


長文で、大変申し訳ございません。ただ、薪ストーブの導入というのは、本当に、問題意識と、知恵と、想像力の、集大成だと思うのです。だから、少ないコストで最大の効果を目指すプロセスは、とてもやりがいがある楽しいものです。北のさんのようなお方とのご縁があれば、と、私は楽しみにしております。

ご不明点などございましたら、どうぞ、またお書込みください。

よろしくお願いいたします。

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