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197 OBIさま 体験談に寄せて 担当者 2018/12/04(火) 09:51:58 削除
OBIさま 皆さま

体験談、誠にありがとうございます。せっかく書き込んで頂いたのに、一週間、ご返事もなにも書かなかったのは、掲示板って、トップの書き込みが一番読まれますので、皆さんにも読んでほしかったのです。

OBIさんの家全体暖房の体験談、熱の回り方って、私がもし自在にこれを提供できるなら、理想的に近い状態なのです。ぜひ、できるなら、これを味わって頂きたいなと。

でも……実際には、これはすごく難しくて。私はとても複雑な思いでも眺めていました。なぜなら、これって、家の設計思想そのものなんです。

昨日も、あるユーザーさん新築での薪ストーブ設置工事でした。現場に行って、私がすごく安心したのは、実際に自分の目で出来上がった空間を眺めた時の熱回りにおけるイメージ。ああ、これなら大丈夫だ、良かった、本当に完璧に近いんじゃないかと。

自然な物理現象として登った暖気が、まずどこに行って、最後に冷気として薪ストーブ周辺にどう巡り帰ってくるか、あるいは帰ってこないのか。昨日のお宅も、よく考えられていて、自在にコントロール可能になっていました。必要な1階LDKはまず暖まるし、2階も吹き抜けに面した室内窓の開閉一つでかなり自在に暖める度合いを変えることができる。

こういう設計って、ぶっちゃけ、私が一番「力不足」を認識しているところでして、どういうことかというと、技術論ではなくて……

設計って、技術論というより、新築関係者の努力、感性、プライドの複合体みたいな人間臭いものなんです。私としては「これは……まずいな……」と思うものは、そのように指摘もしていきますが、建築設計士にも色々プライドとか、ありまして、もちろんユーザーさんにもいろんな都合があります。

今のところ、そんな複合体の中で、これは薪ストーブの熱回りとして設計自体からうまくいったな、と思うケースは、ユーザーさんご自身の強いこだわり、勉強、センス、そして何よりも「自分の希望として押し通す力」が備わっているケースに限られています。とりわけわけ薪ストーブに関する部分でのこだわり。

特に「押し通す」のは、人間関係に、かなり、軋轢を生じかねない行為なのです。リスクあります。それを、どこまでやれるか?いわゆる「タフネゴシエーション」の領域です。OBIさんは、あくまでも私の印象で申しますと、それをギリギリのとろこでやってのけれる凄い人でした。

私、新築案件、いろいろお付き合いしていて思うのですが、家の設計思想に関わる問題って、本当に難しい。人間と人間の間に「解」が出てくる問題ですから。押し通さないで薪ストーブへの理解が甘い人のプライドも傷つけず、上手に付き合ったほうが良い場合もあります。全館暖房だとか熱回りは、あとから工夫次第でも改善可能ですし、薪ストーブばかりを中心にするわけにもいかないですから……

今のところ、ですので、私はマズければちゃんとお伝えはしますし、意見を問われれば、相当突っ込んで申しげますが、それほど問題なければ、やんわりとしか踏み込んでいません。

つまり、OBIさんにせよ、昨日のユーザーさんにせよ、私が偉いとか、まったくなくて。ひとえに、ユーザーさんご自身が偉かったのです。薪ストーブについて、その設置プランに関して、すごく強いこだわりがあって、それを粘り強く押し通されたという印象です。

こういうことが、ユーザーさん全員にできるかというと……私は、今のところ、この部分で最適解を持ち得ていません。夫婦関係や家族関係と同じく、そのユーザーさんが選んだ人間関係の中で、最終的な「形」、技術仕様が決まります。私は、そこに助言はできますが、どのくらい薪ストーブに重きを置くのか、最終的にお決めになるのは、ユーザーさんご自身ですので……

そういうわけでとても長くなりましたが、OBIさんの薪ストーブ設置はお見事でした。これほど薪ストーブを中心に設計が効いた事例も珍しいです(とても贅沢な仕様、と言えます)。だから、薪ストーブという熱源一台でも、この熱回り状況が出せるのは、ある意味「当然の結果」でもあるのですが……

その体験談、理想は理想として、皆さまに、やっぱり、知っておいて頂きたく、でも実際には、家の設計思想そのもので決まる問題ですから………

最適解は、人それぞれ。納得いく答えの形は、プロセス、どんな人を選んだかというご縁にもよります。もちろん新築か、既築かにも、まずよります。

以上、一つの事例としてご報告いただいたことと、それに対する、長い長い解説でございました。新築検討段階から関わったユーザーさんでしたのでなおさら。

御礼と、ご参考になれば、ということで。どうぞよろしくお願いいたします。

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